

恋人との別れが辛いのはなぜ?立ち直る期間と乗り越える方法|賢恋研究所
◆ 大学生のときに出会って、2年近く付き合った彼氏に振られた。めっちゃ好きだったし、結婚したいと思っていたから辛すぎる……。忘れることはできるの?
◆ 急に1週間くらい彼女と連絡が取れなくなったと思ったら、昨日、呼び出されて「冷めたから別れよう」って言われた。ショックで何も手につかない……。どうしたら立ち直れる?
自分から振ったにしろ、相手に振られたにしろ、大好きな恋人との別れは辛いものです。
今回は、別れが辛く苦しいと感じる理由と、心理学的に見た失恋から立ち直るのに必要な期間を解説。さらに、より早く痛手を乗り越える方法も紹介します。
大好きな人との別れは辛いもの

大好きな人との別れは辛いものです。特に、
- 遠距離恋愛がうまく行かなくて別れた
- 結婚に対する気持ちが違って別れた
- 相手の気持ちが冷めてしまった
- 相手が既婚者だった
- 相手にお金のトラブルなどがあった
など、自分はまだ好きだけど、事情があってやむを得ず別れた場合、そのダメージはかなり大きくなります。
相手のことが好きであれば、振られた立場にしろ、自分から振った立場にしろ、別れをなかなか受け入れにくいのは当然のことです。
恋人との別れのダメージがなかなか癒えないのはなぜ?
恋人と別れた後というのは、メンタルが沈みます。
仕事や勉強に集中できず、何事も手につかない状態に。楽しい時間は戻ってこない……と頭では理解しながらも、それを受け入れられない状態が続きます。
こうした別れのダメージがなかなか癒えないのには、次のような理由があります。
別れのダメージが癒えない理由① 辛い感情がずっと続くと思うから
別れた直後は「この先の私の人生は真っ暗」「あんな素敵な人は二度と現れない」などと、悲観的に考えがち。なぜなら、人間は将来の自分の感情の変化を想像するのが苦手で、今、直面している出来事を重視するようにできているからです。
そのため、「今、感じている辛い感情がこの先もずっと続く」と思い込み、大きなダメージを感じてしまうのです。
別れのダメージがなかなか癒えない理由② 自尊心がダメージを受けるから
振られた場合は「恋人から大切に思われていなかった」と自尊心が傷つき、振った場合も恋人を傷つけてしまった自分を責めて自尊心にダメージを受けます。
その結果、自分に対する自信や愛情が低下し、「私は愛してもらう価値のない人間なんだ」「私は人を愛する資格のない人間なんだ」と考え、落ち込みの泥沼にハマってしまうのです。
別れのダメージがなかなか癒えない理由③ 自分の一部を失った気持ちになるから
好きな人と一緒にいた時間が長ければ長いほど、相手の存在が自分のアイデンティティの一部になっていきます。
隣に彼氏/彼女のいることが当たり前になっていたのに、それが失恋によって失われ、自分を半分なくしたような強い喪失感、不安感を覚えるのです。
辛い気持ちから立ち直る期間は1年

大好きな相手と別れた直後は、「もう生きて行けない…」と考える人も多いですが、じつはその苦しい気持ち、辛い気持ちは1年ほどで回復します。
これはスイスのベルン大学の研究チームが約9000人の男女を3年間追跡調査した研究で明らかになった数字です。
安心してください。どんな辛い失恋だったとしても、人は必ず立ち直ることができます。
辛い気持ちから立ち直る方法
1年ほどたてば、自然と失恋のダメージは回復していくとはいえ、辛い期間は短く済ませたいもの。より早く失恋のダメージから立ち直る方法を紹介します。
辛い気持ちから立ち直る方法① 別れてつらい気持ちや現実を客観的に受け止める
好きな気持ちを残したまま破局した場合、元カレや元カノに未練が残ってしまうのは仕方のないこと。まずはその現実を客観的に受け止めることが、メンタルの回復に効果を発揮してくれます。
そこで有効なのが、友達から相談されたようなシチュエーションを思い浮かべ、自分の中で対話していくという方法。
- こんなシチュエーションを浮かべよう
- 友人「大好きな彼氏と別れたのが辛い……」
自分「恋人との別れが辛いのは仕方ないことだよね。それだけ好きだったってことだから」
友人「そうだよね……」
自分「だけど、終わったことは受け止めないと。少しでも前に進んでいくのが、自分のためなんじゃないかな」
そんなふうに友達を慰めるかのような内言(自分の中の対話)を行うと、辛い状況を客観視し、立ち直るきっかけをつかむことができます。
辛い気持ちから立ち直る方法② 元カレをディスりまくる
別れた恋人をディスりまくるという方法も、辛さから立ち直るいい方法です。
これは「認知的再評価」と呼ばれる心の動きを使って、あなた本来のニュートラルの状態を取り戻す取り組み。
「振られたけど、あの人のことが忘れられず、辛い」のは、脳が感情に支配されているからです。
そんなときは、元カレや元カノの気に入らなかったところを紙に書き出したり、友達と「そういえば、あのときの元カレの行動、ホントにあり得なかった」「元カレの細かいところ嫌だったよね」と悪口大会したりして、元恋人をディスっていきましょう。
すると、別れるに至った感情の変化が鮮明になり、その選択が間違っていなかったことと捉えることができます。その結果、彼氏/彼女への未練が劇的に減っていくのです。
辛い気持ちから立ち直る方法③ 楽しいことをする
友達と飲みに行く、旅行、映画鑑賞、料理、読書、散歩、フットサル、サイクリング、お笑いライブに行く、おいしいものを食べに行く、ドライブ、ペットと遊ぶ、新しい趣味に挑戦する、仕事に没頭する……など、自分の好きなこと、楽しいと感じる物事に多くの時間を割きましょう。
破れた恋の思い出に浸る時間を減らし、ワクワクする時間を増やすことで、結果的に辛い気持ちから立ち直るのを早めることができます。
まずは元カレ、元カノと出会う前、自分が何を楽しみにしていたかを思い出し、書き出すところからスタートしてみてください。
辛い気持ちから立ち直る方法④ 未練が断ち切れたあとに新しい恋をする
多くの女性の恋愛観は「上書き保存」タイプなので、新しく好きな人、ドキドキする恋の始まりがやってくれば、元カレとの過去なんてどうでもよくなります。
ただし、失恋直後に無理に好きな人を作ろうとするのはNG。
というのも、辛い気持ちのピークにあるときは、あなたの自尊心が低下しているからです。
一般的に私たちは自分について100点満点中、70〜80点くらいの評価を与えています。ところが、失恋直後は自尊心が低下し、自己評価が30〜40点に。
すると、普段の状態ならば絶対に選ばないような男性と、好きでもないのに付き合ってしまう可能性が高まるのです。
その結果、「この人は違う」という気づきからの新たな失恋に……。
つまり、自尊心を回復させないままの新しい恋は、辛い別れのループの始まりになるのです。
負のループに陥らないためにも、①から③で紹介した方法で未練を断ち切り、気持ちを立て直してから次の恋に向かいましょう。
破局をバネにして幸せになろう!
先程、紹介したスイスのベルン大学の研究によると、失恋した人の多くはメンタルの状態が改善した後、人の心をより細やかに感じ取ることができるようになったり、自分と恋人との関係を公平に見ることができるようになったりといった精神面の成熟が感じられたそうです。
失恋で得た教訓と成長を次の恋愛や対人関係に活かしていけば、より素敵な男女関係を築いていくことができるはずです。

慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒。
日本唯一のメンタリストとしてTVなどに多数出演。
ビジネスから恋愛や子育てまで、幅広いジャンルで人間心理をテーマにした著書は累計400万部。
現在は大学教授やビジネスアドバイザーなどとして活躍するほか、恋活・婚活マッチングアプリwithの監修も行っている。